2013年7月13日 チャリティー・コンサート「祈り」祈祷文
大野 高志



 ともに祈りましょう。
 全能の神、天と地を創造し、そこに生きる一つひとつの命に計り知れない愛を注ぎ、時と歴史とを支配しておられる主なる神様、

 2年4ヶ月が経ったのかと、改めて考えさせられます。あの日以来、わたしたちが心の中に抱いてきた重荷は、人がとても小さな生き物であって、裸同然で、弱い者なのだということの露見でした。街から明かりが消え、商店の陳列棚から物がなくなったとき、わたしたちはそれだけでうろたえました。そして、そのうろたえの中で、被災地の物語を聞き、わたしたちの心はますます引き裂かれたのです。しかし2年と4ヶ月が経って、わたしたちは今、恐れが忘却をもたらすという、別の弱さを感じつつあります。たまさかの平穏は、前を向いて生きる勇気を与えてはくれますが、同時に前を向き得ない現実の中にある人々を後ろに追いやってしまいます。わたしたちは、どのようになすべきであるのか、すべてに正しく答えていく自信を持ち合わせてはいません。今あなたが、そのようなわたしたちのありのままを知り、共にいて道を示してくださいますように。そしてわたしたちを助けて、被災地とわたしたち一人ひとりが遣わされて生きる場所とをつなぎ合わせて下さい。

 神様、震災は、より弱い立場にあった人々をさらに困難な状況に追いやってしまいました。病や障がいを抱えていること、老いの日々を送っていること、幼い子どもであること、差別や貧困の中にあること、社会の求めに応えられないこと、天涯孤立していること―それぞれの様々な辛い事情を、震災がより深刻なものとして際立たせてしまったことをわたしたちは知っています。これらの方々の傍らから、あなたが一時も離れないでいて下さいますように。今日を生きる今日の糧を、すべての人に与えて下さい。ふるさとを思いつつ帰ることが出来ないでいる人々の生活を支えて下さい。

 命の与え主である神様、震災とその関連によって亡くなったすべての方々のことを思い、改めてお祈りいたします。それらの方々の魂を、今あなたが深い平安の御翼によって抱きしめていて下さいますように。今なお悔いと悲しみの中にある遺族・近親者、その死を信じられないでおられる方々に、あなたが寄り添っていて下さい。
神様、あなたは旧新約聖書を通して、残された者の務めを、繰り返し指し示しておられます。その復興と、新しい地域社会の再生とを、御心に適って推し進めることが出来ますように。特にわたしたちの中から、政に司る人々が立てられています。まもなく国政選挙も行われようとしていますが、それらの人々が過たず、命と生活に向き合っていくことが出来るように導いて下さい。また教会の働きを強めて下さい。

 残された者の祈りを、一つに結び合わせて下さい。今日はまた、ここに第11回目のチャリティー・コンサートを開いて、思いを合わせることが出来ることを感謝いたします。ここに満ちている祈りをこそ、わたしたちの生きる希望としていくことが出来ますように。演奏される方々を、特別に祝福して下さい。

 これらの祈りを、尊き主イエス・キリストの御名によってお献げします。

アーメン