祈り

2011年4月11日 復興祈願祭

我らの主、イエス、キリストの父なる神様

恐ろしい地震と津波によって、全てを失いました
多くの者が、嘆きと悲しみと絶望の中にいます。
実に15万人以上の人たちが、避難生活をしています。
住んでいた所を一瞬で奪われ、愛する者を失いました。母親は子どもの亡がらにあやまりながら、自分が代わりなるべきだったと泣き崩れます。幼い子どもたちが、未だに両親を探し求めています。住む所や仕事を失っただけでなく、家族を失ってたった独りになったのです。
こんなに残酷で、恐ろしいことはありません。全ては暗闇です。

しかし、誰かに助けられた命があります。誰かに生きろと確かに伝えられた命があります。愛する者の分も生きなければならない命があります。

私たちは知っています。我々の主である唯一真の神は、絶望を絶望だけに、悲しみを悲しみだけに、決して終わらせる方ではないということを。
あなたは死にさえ打ち勝たられる方です。そのことを、あなたのたった一人の御子イエス、キリストの十字架の命を通して示して下さいました。

かつてあなたは、イザヤを通して「残った者たちは、再び根を下ろし、上には実を結ぶ」と語って下さいました。だから、今私たちは、あなたが示して下さった御子イエス、キリストの愛と希望を通して、絶望という暗闇の中を歩み出さねばならない人に、あなたが、本当の勇気と光を与えて下さると信じます。

生きるためには、食べるものが必要です。住む所、物資も必要です。お金も必要です。でも、人が本当に再び立ち上がるためには、人の思いと祈りが必要です。
誰かの励ましの言葉に、涙を拭おうとする人がいます。届けられた気持ちに、人の温かさを知らされます。誰かのために黙って手を貸してくれる人に、人と人との尊いつながりを教えられます。
「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く」; 人は誰でも、誰かのその思いに生かされ、生きています。

原発事故を始め、私たち人間は確かに過ちを犯したのかもしれない。しかし、今は誰かを責めたり、誰かのせいにしたりするのをやめようではないか。
神はあなたが誰か責めることを望んではおられないし、自らの命を省みず、ただただ事体の終結のために働いている人たちがいるのだから。

私たちが今、本当にしなければならないことは、どんな時においても、神の無限の愛と慈しみを信じて、
「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く」こと、誰かにその思いを伝えていくことだと信じます。どうかそのために、私たちを用いてくださいますように。
主において祈ります。

大船教会  松下道成 牧師