祈り

2011年8月13日 チャリティーコンサート『祈り』
鎌倉恩寵教会  荒井 仁牧師


天地を造られた神様

 3月11日の大震災から、5ヶ月が過ぎました。地震に続く津波、そして原子力発電所の事故によって、今なお、大勢の人が避難所生活を送っています。暑さの厳しい中、特に高齢者や病気を抱える人たちは、苦しい毎日を送っています。子どもたちは、夏休みの間に、楽しい日々を過ごすはずでした。一人一人の毎日が、昨年までとは違った流れの中に置かれています。戸惑いと忍耐の繰り返しが、人々の心の中を行き交います。

 このような中でも、少しずつ復興への歩みを始めた人たちもいます。小さな働きから始めて、人と人が手を取り合いながら心を合わせ、地道に新たな街づくりに取り組んでいます。神様が、その働きの一つ一つをお守りください。地域の人々が、知恵を出し合い、力を出し合って、ごく、当たり前の日常生活を取り戻せるように、導いてください。

 その一方では、住む家も働く場所も見つけられずに、日々を過ごさざるを得ない人たちもいます。家族の介護をしながら、先行きに不安を抱える人が少なからずいます。落ち着いて暮らすことのできる場所と、生活を維持し、小さくとも生きがいを感じられる仕事が与えられますように、祈ります。

 原子力発電所の事故によって、避難生活を送る大勢の人たちがいます。生活の場を奪われ、仕事を奪われた痛みは深いものがあります。元の生活を取り戻すことができないならば、せめて、新たな場所で、今までと同じ働きを続けられますように、導いてください。
 放射能汚染によって、農業、酪農に携わる人たちの働きが、虚しいものに変えられています。丹精を込めた実りが、人々の命を支えることを喜びとしていました。しかし、実りが形だけのものとなり、人々の口に上ることが無くなる無念さは、働く意欲だけではなく、生きる力をそぐかのようです。肩を落とす人たちに、あなたの力添えと励ましがありますように、切に願います。

 原子力発電所の事故の収束のために、危険な状況の中、全力を尽くして働く人たちを心に留めます。被爆が最小限に抑えられて、健康が守られ、無事に務めを果たすことができますように。

 被災地の中には、六十六年前の戦争によって、焦土と化した地域がいくつもあります。人々は灰燼に帰した町を見て、呆然と立ちつくしかありませんでした。しかし時を経て、長い時間をかけて町を復興し、新しい生活が整えられていきました。神様ご自身が、あの時のように町を建て直してくださるように、心から願います。

 先月に続き、今日も被災者を心に留めて、祈りを合わせながらコンサートを開くことが許され感謝をいたします。慰めと復興への祈りを抱きながら演奏をしてくださいます。その調べに合わせて、私たちも祈りの思いを高めます。どうか、魂の深みから捧げられる祈りを、あなたが聞き届けてくださいますように。演奏者の上に、またこの場に集う一人一人に、命の力を注いで、折りあるごとに、困難の中に置かれた被災者と、歩みを共にすることができますように導いてください。

これらの祈りを、救い主イエス・キリストの御名によって御前にお捧げします。アーメン