祈り

2011年7月9日 チャリティーコンサート『祈り』
鎌倉恩寵教会  荒井 仁牧師

天と地を造られた神様

 3月11日に起きた、東日本大震災から4ヶ月になろうとしています。地震に続く大津波は、多くの人々の暮らしを破壊しました。いつものように働いていた人々、家の用事を済まそうとした人たち、学びの時間を終えて学校から帰る準備をしていた子どもたちは、わずかな時間のうちに、すべてが失われるとは考えもしませんでした。建物は流され、人も流され、今まで大切にしてきた日常が、引いていく波によって人々から引き離されていきました。

 あれから、4ヶ月という月日が経ちながらも、行方の知れない大勢の方々がいるのを思うと、やりきれなさが心に残ります。今まで、力を尽くして懸命に捜索に当たった人たち、そして今も一人でも多く見つけ出そうと、壊れた町と多くのものを呑み込んだ海の中を見つめる目があります。重たいこの働き担った方々を、あなたが労ってください。そしてすべての人の行方が、確かなものとなるように、心から祈ります。

 避難所生活を送る人、仮設住宅に入居する人、遠くの地へと移って、困難な生活を送る人たちがいます。中でも、原子力発電所の事故によって、住む所と働き場から離れざるを得なかった人たちは、もとの生活を取り戻す道が閉ざされているかのようです。希望を失って、自ら命を絶った人がいるのは、私たちにとって深い悲しみであり、痛みとなっています。どうか、一人一人に、必要な支えと生きる力を、お与えください。私たちもそのために、なし得ることを身近なところから始めて、あなたの命の力を届けられるようにしてください。
 事故の収束のために、知恵と力を尽くして、危険と隣り合わせの中で働いている人たちがいます。劣悪な環境の中での厳しい作業が続きますが、健康が守られ、その務めを全うできるようにお守りください。

 復興への道を、一歩一歩と進み出した人たちもいます。再開された営みが、多くの人の喜びとなり、また励みとなりますように。いまだに先行きの見えてこない人たちにとっても、希望の光となるように用いてください。壊れた建物などを取り除いて、復興の準備に当たる作業も行われています。山積みとなった柱、屋根、壁、窓の一つ一つには、そこに生きた人たちの歴史があり、心があります。物は取り除いたとしても、そこで過ごした人々の心を取り除くことなく、新しい町作りを行えるように、神様が導いてください。

 今日は、犠牲者、被災者を心に留めて、祈りを合わせながらのコンサートの一時を与えられて、感謝をします。音楽の豊かな賜物を与えられた方々が、慰めを求め、復興への祈りを込めて演奏をされます。その調べに合わせて、私たちは祈りの思いを高めます。どうか、魂の深みから捧げられる祈りを、あなたが聞き届けてくださいますように。演奏者の上に、またこの場に集う一人一人に、命の力を注いで、折りあるごとに、困難の中に置かれた被災者と、歩みを共にすることができますように導いてください。

これらの祈りを、救い主イエス・キリストの御名によって御前にお捧げします。

アーメン