渡辺牧師 

324号 牧師(主任担任教師)のお知らせ 鎌倉恩寵教会教会員一同

324号 牧師(主任担任教師)のお知らせ 鎌倉恩寵教会教会員一同


牧師(主任担任教師)のお知らせ
この度、私共の教会は第5代牧師として渡辺誉一牧師を招聘し牧師就任式を執行いたします。
鎌倉恩寵教会は、初代内藤協牧師が鎌倉西方伝道を願い、それと共に社会から問われる様々な問題群を、主イエスが共に担って下さるとの篤い祈りの中で宣教を始めました。その意志と献身の想いを受け継ぎ、今年度教会創立50年という時を迎えることとなります。この間、地域に生きる皆様と共に生きたいと、近隣の教会や関係団体の皆様のご支援とお祈りを頂きながら歩んで参りました。豊かな共生の50年間を、心より感謝いたします。
当時を振り返りながらも、今なお混迷の時を思わずにはいられません。私共は時代を問い続けながら、なお主の宣教の業に励み、新たな牧師を迎えて教会形成に努めたいと存じます。つきましては牧師就任式を行いますので、ご出席くださいますようご案内申し上げます。
   鎌倉恩寵教会教会員一同 


325号 鎌倉恩寵教会牧師就任の辞 渡辺誉一牧師

     2017年7月23日(日)鎌倉恩寵教会牧師就任の辞


 この度、昨年一年間の心身共なる休養を許されまして、主のお導きによって新たな出発の時を鎌倉恩寵教会が与えて下さいましたこと、ご列席下さっている多くの方々のお祈りとお支えをいただきましたことを深く感謝いたします。
 多くの課題を教会に連なる皆さんと共に担いながら、平和の主に導かれつつ新たな信仰共同体の旋律を奏でていけたらと祈り願っております。
 この場をお借りいたしまして、鎌倉恩寵教会二十年史の冒頭に納められています初代牧師・内藤協先生の文章を一部抜粋してご紹介させていただきます。
「どうして、この伝道が始まったかについては、私自身すべてを説明しうるものではありません。言えることは、ただその時の中に立たしめられたという事です。私にとっては、その時は確かに動かし難い明確な神の時でした。それはあたかも、大学紛争の終盤の流れが、教会に形を変えて現れてきた時代でした。万博問題と東神大問題が、教団紛争という状況を生み出して行きました。この二十年の伝道の最も良き要素は、多くの良き信仰の友を、始めの日に、今日の日に与えられていることです。個性豊かな一人一人です。時として激しくぶつかり会うこともありましたが、その緊張の中で、私たちの交わりは深められて行きました。そのなかで、お互いを理解する戦いが起こりました。信仰とは何かを問う機会ともなりました。このような信仰と交わりの課題の中で「私たちの教会の姿勢」が生み出されて行きました。様々な背景を持つ者たちが、一つのキリストの体を形成してゆく困難を分け合う事を目指して来たわたしたちは、まことに良き信仰の友であったと信じています。この教会は事件や問題の中で、また導かれ育てられて行きました。問題の中で信仰が養われ、審きの中に恵が示されました。それは、まことに聖書のみ言葉がこの小さな群れの中にも、粛々と成就していく事を目の当たり見る思いがしています」。
 神奈川教区の皆さん、この内藤先生の一文と「私たちの教会の姿勢」、何かに似ていると思いませんか?神奈川教区形成基本方針です。教区形成基本方針の前文が内藤先生の一文にあたり、教区形成基本方針の本文の内容が「私たちの教会の姿勢」にあたります。内藤先生が亡くなるまでの10年間、神奈川教区の議長を担われていたことも要因としてあげられるかも知れませんが、1965年に東京教区から分離独立した神奈川教区と、同じく1968年に分離独立した鎌倉恩寵教会は、同じ時代状況の中で立ち起こる様々な問題群から問われ、時に問い続けながら、苦しみ、悩み、忍耐し、祈り続けながら歩を進めて来たことによって、同じ共生理念を掲げるに至っています。
 鎌倉恩寵教会が掲げる「私たちの教会の姿勢」は1975年の教会総会にて決議されました。遅れること約20年、1994年の2月26日第91回神奈川教区総会にて教区形成基本方針は制定されています。内藤先生と共に歩んだ方々が、内藤先生亡き後も教区形成の為に苦闘し、悩み、時に傷付きながら忍耐をもって尽力された多くの教職者、信徒の方々があり、教区形成基本方針に至ったことを、前前任者の菅根信彦牧師より伺っております。
 以前、同じ神奈川教区の大船教会におりました時、教区の様々な集会や取り組みに鎌倉恩寵教会の方々がいつも参加されていました。私はとても問題意識の高い教会だなと、外側から感じていました。鎌倉恩寵教会に入ってみると、まるで教区で取り組まれていることが教会の中に凝縮され、教会の取り組みが教区で拡大されているように感じました。この教会と教区との深い繋がり、そして何よりも責任の重さに改めて気づかされます。「私にはその任は重すぎます。出来ません」と恐れおののく出エジプト記のモーセのような心境です。それ故に、主のお支えとお導きを心より祈り願うものです。
 「多様な人間が一つのキリストの体を形成して行く事の困難を栄光として忍耐をもって共存し続けます」、個々を尊重し、小さき者に寄り添い、忍耐しながら共に歩んで行くこと、喜ぶ者と共に、手を取り合って喜びを分かち、泣く者と一緒に涙を流し、痛みを分かち合いたいと願います。そんな教会の理念が教区に映し出され、教区の理念が教会に凝縮していくように、共生理念に向かって、共に歩んで参りたいと思うのです。
 私たちの教会は、神の恩寵を冠する教会です。ただただ神の恩寵を信じつつ、願わくは伸びやかに、そしてしなやかに旅する群れでありたいと思います。
 ご列席の皆様、本日はお忙しい中、遠路、そして暑い中、就任式にて共に祈りの輪にご参加下さいましたこと、心より感謝申し上げます。司式をして下さった三宅先生には本当に感謝いたします。神奈川教区、鎌倉恩寵教会共々、これからもお祈りの内に憶えていただけますと幸いです。
 感謝とお願いをもって、就任の辞にかえさせていただきます。
                                   鎌倉恩寵教会 渡辺誉一

325号 渡辺誉一牧師就任式 招聘委員長挨拶

325号 渡辺誉一牧師就任式 招聘委員長挨拶


本日は、鎌倉恩寵教会 渡辺誉一牧師の就任式に、お暑い中、お越しくださいまして、ありがとうございます。
主日のお礼拝の後に、遠くより、近くより、お集まり下さいました牧師先生や教会員の皆様、
いつも恩寵教会をご支援下さっている皆様に感謝申し上げます。
又特に、司式をしてくださいました、神奈川教区総会議長でいらっしゃいます三宅宣幸先生
お忙しい中、本当にありがとうございました。


先週16日には、紅葉坂教会で荒井先生の就任式がありました。
荒井先生招聘までの次第を、招聘委員長の三輪様がお話しくださいまして、昨年5月の荒井先生のお言葉やご様子を思いました。


昨年5月の役員会がいつも通りに終わった時でした。荒井先生が恩寵教会をお辞めになり、紅葉坂教会に移られると、おっしゃいました。


そのようなご様子を微塵も見せず、誰一人ご相談を受けた者もおりませんでしたので、ただただ驚きの瞬間でした。
けれども、先生が熟慮の末に決断されたことを、私たちは受け入れるしかないと思いました。三輪様もおっしゃいましたように、紅葉坂からお声がけがあったのが秋、それから半年もの間、先生は悩まれ考え抜かれたことと思います。そして「私の思いではなく神様のみ心のままに」と、み旨に従われたと思いました。


私は今まで、神様が私たちの牧者を突然去らせてしまう、とちょっとひねくれた思いになっていました。
初代内藤協牧師は20周年の記念礼拝を終えられて1カ月ほど後に、突然天に召されました。
2代目の塩出俊三牧師は元々お弱く、長く入院もされ、4年後の12月30日に召されまして、
1年半の無牧を経験し、又牧師招聘も初めて経験しました。
3代目に就任されたのが菅根信彦牧師です。教会が安定し、皆が安心して過ごしていた8年間でしたが、菅根先生はかぐや姫が月に帰るように、突然副牧師をされていた神戸教会に主任担任教師として帰ってしまわれました。そして今回は荒井先生。


そんな愚痴を言ってはいられません。3度目の招聘が始まりました。


無牧にならないように、早く新しい先生を、の声は大きくはなくても、皆様の1番の望みだと伝わってきましたし、何とかそれに応えられれば、との思いはありました。
しかし、突然のことであること、どうして良いか先は闇のように思えたこと、その上創立50周年も間近であること。そして、私の欲張り過ぎと言われたこともありましたが、私たちの教会の特殊な成り立ちやその困難から生まれた「私たちの教会の姿勢」をご理解頂きたい・・・などと考えますと、3月までに間に合うようには思えず、たとえ無牧になったとしても、「早く決める」と言うことを最優先にはしないと心に決め、委員会でも臨時総会でも、皆様にご協力をお願いしました。


そのような覚悟をして招聘委員会がスタートしましたが、神様は、この右往左往する羊たちを憐れんでくださって、まず相談役として菅根信彦牧師をお遣わし下さいました。
そのとたんに、招聘作業は順調に進み、ついに渡辺誉一牧師が招聘をお受け下さいました。結局、1週たりとも途絶えることなく牧師交代がなされましたのは、神様の大きな御力とともに、神戸から何度も足をお運びくださった菅根先生のご尽力によるところが、とても大きいものでした。今日はお越し頂けませんでしたが、この場から、心からの感謝を申し上げたいと思います。


恩寵教会の招聘をお受けくださいました渡辺誉一先生は、先程の就任の辞でも先生ご自身が語られましたように、私たちの思いを良くご理解下さった上で、創立50周年の事業にも熱心に取り組んでくださっていますし、又ご着任と同時に丁寧な牧会をしてくださっています。


当教会の会員も、また教会に関わる多くの方が「良かった」と安堵しておられる様子が見受けられます。招聘委員も私自身も、緊張感の中で過ごした1年近くでしたが、雪が解けていくように感じますとともに、私たち委員は大した働きもしなかったのに、渡辺先生がご決意下さり、今日就任式を迎えることができました。初代牧師がいつも言っておられた「人間の働きの成果でも、努力を認められたのでもなく、ただ神様が私たちを憐れんでくださったから」の通りです。今は神様の憐れみと恩寵に心からの感謝をささげます。


本当に今日は私たちにとって嬉しい日、嬉しいひとときでした。
神様に感謝をささげますと共に、お集まりくださいました皆様に、また、神様にお任せし招聘委員に懸けて下さった教会員の皆様に、心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

325号 牧師就任式 田中美津次

325号 牧師就任式 田中美津次


七月二三日、渡辺誉一主任担任教師の牧師就任式が行われた。司式は神奈川教区議長で元住吉教会の三宅宣幸牧師。百二十名近い来賓の方々をお迎えした。鎌倉恩寵教会員の出席者五十余名。礼拝堂の様子を映すモニター画面をセットした一階集会室も満席。午後三時に式は始まった。


渡辺牧師の誓約、勧告、教会員の誓約と進み、三宅牧師による説教。聖書はローマの信徒への手紙一二章三―八節。「パウロの問いに対する明確な答を鎌倉恩寵教会は持っておられる。それが制定された『私たちの教会の姿勢』ではないでしょうか」と話された。教会員全員でその『私たちの教会の姿勢』を朗読。続いて渡辺誉一牧師が就任の辞を述べた。


 式が終わり、茶話会の会場準備の間、来賓の方々は中庭で記念の集合写真。茶話会の司会は藤本悟役員。乾杯のご発声を横浜二ツ橋教会の山崎正幸牧師にお願いし、ご祝辞を渡辺英俊(隠退牧師)、北村慈郎(船越教会牧師)、武田利邦(横浜二ツ橋教会員)のお三方から頂いた。鎌倉恩寵教会の歩みのスライド写真が映し出される会場で、茶菓を戴きながら懇談のひととき。前週に紅葉坂教会の牧師就任式を終えられたばかりの荒井仁牧師のお顔もあった。会の終わりに平野ゆう子招聘委員長が、荒井仁牧師辞任表明から渡辺誉一牧師招聘に至るまでの祈りのうちに導かれた経緯を紹介。私たちはこの日の牧師就任式での誓いにより一層強く歩み出す。
 この会の企画・調整・茶菓料理の手作りなど諸準備・手際よい進行に教会員の熟練パワーの結集を見た。
 (田中美津次)